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ガデリウス・インダストリーとの意見交換

先日、東京赤坂本社にあるスウェーデン商材商社、ガデリウスのAさんが神戸支店から
愛知県碧南市 全館空調研究所の展示場に意見交換と商談の為、来場頂けました。

建築材料・換気担当という事もあり、事前に技術的な話は電話にてさせて頂いていました。

6年程前に東京赤坂本社にお邪魔して全館空調の勉強会を一緒にさせて頂いたときには
ちょうどAさんは用事があり参加されていなかったそうです。
ですから、初対面ではありましたが、2時間ほどで白熱した濃厚な意見交換ができました。

その中で自分が感じたことは、やはりガデリウスさんのお客様はQ値1.0~1.6位の
高気密高断熱住宅の中でも本当に研究熱心なマニアで洗練された建築会社様を対象にお仕事をされていることを再実感いたしました。

自分はおおよそ、Q値1.6~2.0位かな?と感じています。
比較的温暖な三河地域中心ですから当然な面もありますよね。
当然、空調機器、換気システム、能力機種選定と注意箇所も違ってきます。

一番、意見が分かれたことは、Aさんは暖房よりは冷房は難しい。(注意している項目)
自分は冷房より暖房の方が難しい。これには正反対の心持でいました。

なぜか?勝手な推測
高気密・高断熱を突きつめる工務店さんは基礎断熱比率が高い。
よって、基礎内の換気には注意を払うものの、床下からの冷気対策には有利。(暖房有利)

また、夏の冷房を注意されているということは空調機器自体の風量がやや少量なのか?
梁下通過の事も考慮されて、ダクトの口径が小さく風量の確保が難しいことをご存じであえて、
住宅用ビルトインエアコンを採用させているのでしょうが、自身はドレン管口径の事も気になりあえて避けています。

いくら高気密・高断熱に施工しても、高通気(厚通気層)はどうなのか?等の考えも浮かびました。
話はガデリウウスさんとは違いますが、真夏も近づき、通気にスポット当てたいと思います。

通気は本当に重要、真夏の外気温38度さえも通気に使えば仮に70度~50℃の屋根材裏の温度は下げられる。
通気がうまくできていなくて高気密高断熱住宅を建築した場合は、
むしろ発砲ウレタン等の断熱材は徐々に→蓄熱材に変化して行くのではないのでしょうか?
ですから、断熱材の外側での通気とその熱気が屋根上のどこに逃げ道が作られているのかが非常に気になります。

高気密・高断熱の言葉と数値が大きく取り上げらますが
是非、建築関係の先生には「通気を数値化」した基準指標を作って頂きたい。

漠然と高通気(厚通気)と勝手に一人で言っていますが、建物外皮面積(床除く)に対してどれだけの空気層の厚みを設けているか?
またの横胴縁、縦胴縁の組み方、金属引っかけ金物等での空気の流れ安さ(抵抗値)、
軒下のパンチ穴で途中入口を取って、最終的には屋根の棟換気口で排出、そのメーカーの開口・気流数値と取り付け採用数、
その面積、外壁その各々の東西南北(方角)を考慮して通過面積、または容積を割り出すなど?

また、太陽光発電パネルを一定割合数載せた場合の空気層メリットも参考値する?
経験上、太陽光パネルを片流れで9割載せた住宅の冷房時の空調負荷は本当に低くても大丈夫です。
幅広で大きな麦わら帽子を被った涼しげなお父さんですよね?
先生方には、UA値(Q値)同様、設計時の計算で可能なようにお願いしたい。
そうなれば、場現では監督さんも深く考えることもなく、実施施工していくだけですから。

また、その数値を歩かせれば、数値競争が起こり結果として、最良な住宅が多くなるのではないでしょうか?
それを設計上から起こすことには意味があります。高通気・高気密・高断熱?
住宅にも3高、トリプルスリー?(ヤクルト山田哲人)が人気となれば環境にも良いかもしれません。

話は意見交換に戻りまして、
自身はそれほどの本格的な高気密高断熱住宅がお客様に多いわけではないので、
空調機を天井裏にいれてリターン(空気の戻り口)を二階天井に設置する場合においては常に一階の床下の冷えが気になる。
(勿論、床下の断熱材の性能と厚みによるのですが)基礎断熱の場合は気が楽になるのです。(冬季の冷えに安心できる)

しかし、計算で夏は外気40度時で室内28度に12度差、冬は-5度を22度で27度差にと考えた場合は
おおよそ2倍の空調負荷が冬にはかかる。
現状、室内機器を小屋裏や二階上部から出発させる場合は、やはり冬季、一階の床は最重視ポイントとなっています。
基礎断熱の方がその点は気にしなくても良いです。

ですから、風量重視の業務用エアコンに頼っている自分自身があると分かりました。

その証拠に基礎断熱専用設定のAIR暖Ⅽ4では1階の床と暖房は成行きで考えてます。

Aさんも、自身の知人で20年の全館空調キャリアのMさんも同様、
かなりの本格的な高気密住宅を扱う空調業者さんの共通点は業務用エアコンと家庭用ハウジングエアコンの使い分けにありました。
確かに住宅性能を突き詰めれば正直、全館空調は悪い言葉を使えばアバウトで十分ですから。
住宅性能が悪ければ、空調機器に頼らざるを得なく全館空調のシステムの良し悪しの議論が必要となります。
全館空調の効きの問題の半分は住宅の性能の問題が多く絡んでいます。(持論私感ですが)

つまり、3高トリプルスリーヤマダ住宅では、本格的な全館空調は必要ないのでしょう?
(ヤマダ電機住宅のコマーシャルではありませんが。)

また、その空調方法論を議論する必要性もなくなり、自分のお仕事もなくなる。
地球温暖化とグレタさんを考えて省エネ住宅を義務化で建築基準法数値を上げて造れば、
そんな日も早くやってくることでしょう!

その基準値の大きな一つに「通気」をクローズアップして加えて頂きたいと思います。